トッケーの夜

ある晩、ひとり夜中に起きていたら、ガサっという音が聞こえた。
子どもはぐっすり寝ているし、窓も閉めているから風でもない。
なんだろう・・・・?と、あたりを見回したら
ぴょーんと何かが跳ねた。

カエル!!!!

なぜこんなところにカエル・・・?
部屋は2階だし、しかも寝室は入口から遠く、窓も普段は開けていない。
いつ、どこから入ってきたんだろう・・・

とりあえず、そのままにしておいてもいいけど
(という考え方が、すでにカンボジア的。笑)
踏み潰してはいけないし、気になるのでつかまえて外に出した。

わたしが住んでいたシェムリアップは、まだ自然も残る田舎町で
そこら中に色んな生き物や虫がうごめいていた。
ヤモリやクモは家に常駐。(当たり前だけど、ペットではない)
あまりに普通にいるので、見ても何とも思わなくなった。
雨季になればカエル、コオロギ、羽アリが出現。
アパートの通路にカブトムシが転がっていることもあった。

これまででいちばん驚いたのは、台所の窓にヘビが絡みついていたこと。
なんか緑色のものがいるなあ…と思ったら、ヘビだった。
「ぎゃーーー!!!」と叫び、階下から人を呼んできたら
クワのようなもので追っ払ってくれた。カンボジア人、なんとも逞しい。
なんでもヘビは、木の上にある鳥の巣を狙っていたとのことらしい。

トッケーもいた。
トッケーとは、英語でゲッコー(Gecko)と呼ばれる大きめのトカゲだ。
体の色は青緑、そこに赤い斑点が全身に散らばっているという、なんともグロテスクな見た目だ。
大きさは、大きいものでは30cm近くもあり、普段は壁にはりついてじっとしている。
大きな声で「とっけー、とっけー」と鳴くので、カンボジアでは「トッケー」と呼ばれている。

カンボジアでトッケーは幸運の生き物とされ、家にいたらラッキーだと言われている。
うちにもしばらく、トッケーが住み着いていたことがある。
このトッケー、夜行性のため日中はおとなしくカーテンの陰に隠れていた。
毎日ほぼ微動だにせず、同じ場所にいる。最初は気持ち悪かったが徐々に見慣れてきて
1日に何回か「いるかな~」とカーテンをめくって、トッケーチェックをするようになった。
そうしたら居心地が悪くなったのか、どこかへ行ってしまった。

しばらく経ったある夜中のこと。
娘が夜泣きをしたので、起きてミルクを作っていたら、大きなゴキブリが出現。
うわっ、と固まっていたら、背後に何かうごめくものを感じた。

トッケーだ。

トッケーは目をギラリと光らせ、シャーっと壁をつたい走ってゴキブリへ一目散!パクリと一口でたいらげた。
それはもう、一瞬の出来事だった。

まだいたんだ、という嬉しさと、昼間との落差の驚きと、ゴキブリも食べるんだ…という発見と。
なんとも印象深い夜だった。

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by toi-tom | 2018-04-05 13:40 | カンボジア | Comments(0)