海外移住、根付くか否か

先日、ヨーロッパに住む知人と話していて
「バルト三国では、若者の流出が深刻だ」ということを聞いた。
つまり、祖国を捨て、より賃金の高い国へ移住する。
EU圏内は移動しやすく、特にイギリス、ドイツあたりへが多いのだとか。
たとえば、ITを国家戦略として早くから導入したエストニアは
E-レジデンスという、国内に居住しなくても「マイナンバー」のようなものが持てるそうだ。
さらにこれは、在住外国人にも適用される。
これは裏を返せば、国民の国外流出に対する、人口減少対策も兼ねているのかもしれない。

このあと「日本人はなんだかんだ祖国に帰りたがるよね」という話になった。
ふと、そういえば自分も、いつかは日本に帰るものと普通に思っていたなぁと、思い出した。
現地で子を育て長く住んでも、私にとってカンボジアは外国であり
あくまで「一時的に住んでいる場所」であった。
まあ、はじめは1年くらい住んでみようか…から始まったので、
こんなに長くいたのも想定外ではあったけど。

もちろん、色んな事情で海外に移住したり、長く住んでいる日本人も多いだろう。
移住先によって事情も違ってくるし、個人差があることを大前提にしても
やはりどこか「いざとなれば日本に戻ればいい」という感覚を持っているのではないだろうか。

カンボジアに住んで思ったけど、なんだかんだ、日本は安定している。
そして、国(政府)に対して国民は「信頼ベース」なんだと思う。
もちろん色々問題はある、でも「信頼」があることが基本で、その上で「どうするか」の議論だろう。
国が根こそぎなくなるとか、ほとんどの日本人が考えたことはない気がする。

カンボジアはそうではない。まず、国を信用していない。
現に、ここ100年で国家自体が何度も変わっている。
首相が変わった…とか、そのレベルではなく。国の名前、システムも変わり続けている。
フランス植民地時代から今まで、なんと国旗が8回も変わっているのだ。

なのに、カンボジア人も「祖国に帰りたがる組」だ。
何らかの事情で海外に住んでいるカンボジア人もいるが、
本音はカンボジアに帰りたいんじゃないかな…と思う。
しばらく前に、カンボジア料理店でたまたま席を隣にしたカンボジア人男性は
学生時代から日本に住み、もう在住年数も長いという。しかし
「日本のほうが安定しているし給料も高いけど、余裕がないよね」と。
カンボジアは何がなくてもみんな笑顔だし、暮らしはそっちのほうが楽しいと。

別の知人が「モンゴル人は留学後すぐ国に帰ってしまう」ということを、言っていた。
そういえば、相撲界もこんなにモンゴル勢が活躍しているのに
引退後に日本に残る人って少ないなぁ…と。朝青龍も旭鷲山も帰ってしまった。
でも隣の中国は、世界中にチャイナタウンがあるように、どこにでも根付き同化している。

外国に移住して、その地に根付くかどうか。
政治的、経済的なものだけでは計れない何かがあるのだろうか。
その違いって何だろうと、考えてしまう。

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by toi-tom | 2018-05-11 16:36 | 海外つれづれ | Comments(0)